野尻ケイク sweets store

提灯の新しい可能性を求めて

提灯の技術を活用した、インテリア照明を制作しました。
洋菓子店・野尻ケイクsweet store様の店舗用に、オーダーメイド照明を制作しました。
従来の提灯以外の制作は初めてでしたが、1年間の試行錯誤を経て、イメージに合った照明が完成しました。

※2019年納品

花の四季を
「提灯」で表現する

店舗デザインを手がける建築家・吉野聡美氏からの依頼で、デザイン照明の制作を手がけました。
「提灯で花の四季を表現したい」
というご要望でしたが、当初はイメージが分からなかったため、デザインスケッチをもとに打ち合わせを重ね、イメージを共有して進めました。

花が開花していく過程を表現したいとのことで、貼り付ける和紙を花びらに見立て、種・蕾・膨らみ・咲の4点を作りました。大まかなイメージはあったものの図面はなかったので、仕上がりの形はおまかせでオーダーしていただきました。従来は一間ずつ等間隔で和紙を張り合わせカットしますが、花びら型で張り合わせてほしいというご要望だったため、カットせずに端を残して花びらを表現しました。

こうしたデザイン照明の制作は初の試みでしたが、制作期間を長くいただけたので、さまざまな工夫を施すことができました。感覚的な表現を必要とする、造形アートに近い制作過程でしたが、和紙の貼り方や重ねを工夫することでイメージを表現することができました。

通常の提灯制作とは異なるご依頼は初めての経験でしたが、他社に断られた難しいオーダーでも挑戦する気持ちを大切にしてお受けいたしました。そのおかげで新しい発見があり、新たな提灯の可能性を広げることができました。

Concept

制作のポイント

デザインごとに木型を制作
イメージに合わせて1点ずつ制作した木型は、木型職人にとっても挑戦となる難しいものでした。和紙を貼りやすいようにひごの位置を工夫しました。
左右非対称のデザイン提灯
通常は等間隔で和紙を貼り左右対称に整えますが、ランダムな歪みのある木型のため一枚ずつ形を変えて和紙を用意しました。
花びらをイメージした越前和紙
和紙は手漉きの越前和紙を採用。一枚ずつタックを入れて花びらを表現しましたが、貼り付けの際に霧吹きをかけるとタックが伸びてしまうため、押さえつけながら工夫して貼り付けました。

Client

野尻ケイク sweets store

916-0021 福井県鯖江市三六町1丁目5-18
TEL : 0778-42-6469       
https://nojirikeiku.com/